テレビ朝日「スーパーJチャンネル」での南海辰村建設の根拠のない無責任な言い分け


11月10日(火)にテレビ朝日の「スーパーJチャンネル」で大津京ステーションプレイスの欠陥問題が放送されました。

全国の欠陥マンションを取り上げた特集の中で、他のマンションは千葉県、東京都、神奈川県にある分譲マンションとして紹介されていましたが、なぜか大津京ステーションプレイスは「関西にある分譲マンション」とだけ紹介されていました。テレビ局が「滋賀県にある分譲マンション」と紹介できなかった背景として、どのような「力学」が働いていたのかはよくわかりません。とはいえ、本件欠陥マンションの施工会社である南海辰村建設の親会社は南海電鉄であり、何らかの圧力がテレビ局にかかり、そうなったとしても不思議ではありません。

本件のように販売会社と施工会社が建物の瑕疵をめぐって係争している場合、両者に取材を申し入れ、一方に片寄らない番組を作るという姿勢は、どのテレビ局でも同じだと思います。「スーパーJチャンネル」の本件欠陥マンションの放送では、欠陥箇所として取材映像を流し、その後で、施工会社(南海辰村建設)のコメントをテロップで表示していました。このような「後出しジャンケン」のような伝え方ですと、番組制作者が施工会社(南海辰村建設)のコメントに重きを置いているような印象を与えてしまっています。

本件欠陥マンション問題は先月だけで7つのテレビ番組で取り上げられましたが、どの番組からの取材に対しても南海辰村建設からコメントはなかったと聞いています。ところが、「スーパーJチャンネル」では、「南海辰村建設」という企業名は伏せていたものの、施工業者からのコメントとして、私たちにとって目を疑うような内容のテロップを表示していました。
 


施工業者(南海辰村):「建物の耐震性は、安全がクリアになっていて、管轄の自治体も確認している」

管轄の自治体とは大津市のことを言っているのでしょうが、南海辰村建設は建築主である弊社大覚に何も知らせず、屋上に245トンものコンクリートを増し打ちするという大きな構造変更をしておきながら、大津市に計画変更の確認申請を行っていません。

弊社大覚は、次の3つの調査結果を踏まえ、本件建物が構造耐力上非常に危険であるため、大津市に対して調査を求める申入書を送りました。
 
屋上の増打コンクリート荷重が建築確認申請時の構造計算書よりも大幅に増大している。 
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多数の構造スリットの欠落、施工不備が存在する。
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構造性能上必要な構造スリットが柱にめり込んでおり、機能をはたしていない。
さらに上図のようなスリット材自体が欠落している箇所も多数ある。

基礎梁のコンクリート打継ぎ部が分離しており、基礎梁のコンクリートが一体化していない。
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弊社は大津市から「建物の耐震性は、安全がクリアになっている」とは聞いておりません。

南海辰村建設様、何を根拠に「管轄の自治体も確認している」と言っているのですか?



施工業者(南海辰村):「屋上の防水シートは完成した時点ではしっかり施工されていた」

14階共用部廊下の天井から雨漏りが発生し、南海辰村建設からは屋上の防水検査を行ったという証拠が提出されていなかったことから、弊社は屋上の水張り試験を実施しました。前述しましたように、屋上は245トンものコンクリートが増し打ちされ、非常にいびつな波打つ形状をしていたため、弊社は「防水施工に不備があるのではないか」と考えたのです。水張り試験の結果、防水層の下部に水が廻り込み漏水することが判明しました。
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南海辰村建設様、「屋上の防水シートは完成した時点ではしっかり施工されていた」と言うのなら、どうような防水検査を行ったのかを含め、その根拠を示すべきです。


施工業者(南海辰村):「地下の壁は防水加工になっていて、排水口もあるので、地下に水が溜まることはありえない」

番組では本件マンションの立体駐車場地下ピットが水没していることについて、なぜ大量の水が地下に流れ込んでくるのか、「そこには驚くべき理由があった」として次のように説明していました。すなわち、基礎梁(建物の基礎部)のコンクリートが本来一体化していなければならないのに、本件建物ではコンクリートの打継部でくっついておらず、そのすき間を通って外部の地下水が流れ込んでいるという事実に加え、コンクリートに水が侵入していると基礎梁(建物の基礎部)の中の鉄筋も錆びて建物の耐久性がどんどん落ちていると解説していました。
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基礎梁のコンクリートが一体化しておらず、
はっきりとしたすき間が生じている

エピソード8「裁判官の目の前でコンクリートコアが割れた」でお伝えしたように、南海辰村建設はコンクリート施工において適切な打継ぎ面の処理をしていなかったため、本件建物の打継ぎ部のコンクリートは一体化していません。
本年9月15日に裁判官の目の前で、抜き取ったコンクリートコア4本すべてが真っ二つに割れたことで、南海辰村建設は自らの手で、基礎梁(建物の基礎部)のコンクリートが一体化していないことを証明しました。

ずさんなコンクリート施工によって、立体駐車場地下ピットの基礎梁の打継ぎ部がくっついておらず、「スーパーJチャンネル」でもはっきりと映し出されていた打継ぎ部のすき間から、地下水が絶えず流れ込んでくるために、立体駐車場地下ピットは水没し、本件マンションの立体駐車場は現在も閉鎖されたままであり、マンション住民の方々は立体駐車場が使えず不便を強いられています。

コメントに「地下の壁は防水加工になっていて」とあります。

地下の壁は防水加工になっているのが当たり前ですが、その施工がされていない箇所があり、第一審判決で漏水に寄与している可能性があると認められています。

例えますと、防水加工だということで購入したレインウェアを着たら、防水になっていない箇所から水が浸入して衣服がびしょ濡れになったので、製造会社に苦情を言ったら、「防水加工なので、水が入ることはありえません」と何の説明にもならないことを言われたようなものです。

コメントに「排水口もあるので」とあります。

確かに、本件マンションの立体駐車場地下ピットに「排水口」は設置されています。しかし、排水口が機能していないのです。正しい施工がされていれば、水は上から下に流れ、排水口を経て排水されます。ところが、立体駐車場地下ピットの排水口が逆勾配になっている箇所があるため、水が下から上に流れない限り、排水されることはありません。

立体駐車場地下ピットについては、逆勾配に加えて、基礎梁の貫通クラックや打継ぎ部からの漏水が、第一審判決で瑕疵として認定されています。
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貫通クラックからの漏水の跡

貫通クラックとは文字通り「基礎梁をつらぬくひび割れ」のことであり、上述した打継ぎ部のすき間だけでなく、実際に地下ピットに降りると、貫通クラックからの漏水も立体駐車場地下ピットが水没した原因であることは誰の目にも明らかです。

ところが、エピソード8「裁判官の目の前でコンクリートコアが割れた」割れているコンクリートコアを両手でしっかりと押さえ、「割れてませんやん!」と叫んでいた南海辰村建設の担当部長は、本年9月15日、まさに地下ピットに降り、地下水が滴り落ちている様子を目の前にして、「元々、ある程度の水の侵入を想定しており、そのために排水溝を設けて排水設備に水が流れるように設計されていますが、メンテナンスができていないために地下に侵入した水が流れないという状況です」と現地見分に訪れていた裁判官に向かって訴えていました。

施工不良による漏水が、施工ミスにより排水が逆勾配となっているため、水が溜まっている立体駐車場の地下ピットをマンションの管理人(または管理組合)が日常メンテナンスとして、排水作業をしなければならないのでしょうか。

マンションの管理人(または管理組合)が、立体駐車場の地下ピットに溜まった漏水を排水ポンプか何かで排水しなければならない分譲マンションなど聞いたことがありません。おそらく、大津京ステーションプレイス以外には、日本中どこを探しても存在しないと思います。

立体駐車場地下ピットの漏水問題をアニメーションで解説しました

本当は、担当部長も「メンテナンスができていないために地下に侵入した水が流れない」などという常識外れな発言はしたくなかったのではないでしょうか。常識を持っているであろう建築技術者(担当部長)にこのような非常識な発言をさせる南海辰村建設という施工会社は、自らが行った欠陥・手抜き工事を正当化するためには手段を選ばない、社会の秩序を乱す、問題のある企業であるとしか言いようがありません。このような企業が社会に貢献すべき、社会から信頼されるべき上場企業であることは信じがたいことです。

弊社は、親会社である南海電鉄に対して、南海辰村建設の企業としてあるまじきこのような行為について早急に責任ある対応をとるよう強く求めます。